昼顔からの

ドラマ「昼顔」を観た主婦のそれから

1.はじまり

木曜夜。 

子供たち。10時には寝てくれますように。
夫。11時までは帰ってきませんように。
祈りながら、このドラマを観た。
1人で見たいドラマなのだ。
録画の形跡だって残せない。
 
子供たちを寝かしつけ、
夫が帰ってくるまでの間、
やっと1人の時間が始まる!
それが唯一の楽しみだった。
洗濯物でもたたみながら…
TVのスイッチ、ポチッと。
 
まれに、夫が早く帰った時は
「おかえりなさい。」
の笑顔と裏腹
心から残念な気持ちで一杯だった。
 
たまのそんな障害を乗り越え、
私は、なんとかこの夜のドラマを観終えた。
 
子供達がもう少し小さかった頃には成し得なかった奇跡だ。
 
この頃私は、育児に関する肉体労働が減り、
身体が少し楽になっていた。
 
それに伴い、身体の中に、
母になる前の自分が少しづつ
戻ってきているのを感じた。
 
身体が楽になってくると
本来の身体の機能がもどってくる。
 
ムラムラした気持ち。
それが、久しぶりに戻ってきた
感覚のひとつだった。
 
母子一体のような時期
母親業が忙しく身体がへとへとだった時期
全くなくなっていた。
 
それが戻ってきたのは
喜ぶべきことなのだろうが
人生はなかなかうまく行かない。
 
身体も心も疲れ果てている時には
夫のリクエストにとても応えられず
こちらが回復した時には
夫からのリクエストはなく。
今度は、夫が仕事で疲れ果てている。
 
時間も、気持ちもすれ違いが続いて長い。
拒絶が続くと
 
「もう私への愛情もないのだろうか?」
 
という思いや
 
「そもそも私は、この人とそんなにしたいのだろうか?」
 
という疑問にたどり着いてしまう。
しかし、「家族」を守るために
そこは守らなければ。
と、考えない様にする。
 
しかし、心の奥底では
 
「もう、女としての、ときめきだとか、快楽だとか
 えっ?!
 もしかして、人生半ばにして、もう終わりなの?!」
 
 
と、いう受け入れがたい想いが黒く渦巻く。
 
そこへ、このドラマが現れた。
自分が主人公の主婦、さわ に重なるのに時間はかからなかった。