6. それは突然に
いわゆる腐女子と言うらしい。
いや、おばさんの場合、貴腐人?
となり、このまま平和な?人生を歩むのか。
というころで事件は起った。
ある日、子供となじみのコンビニへ、
そこに見慣れないバイトの子が。
レジを打つ間も終始うつ向き、声も小さい。
ちょっと手も震えてる!
髪の毛で顔が隠れてるし。
今どき珍しいな。と思った。
何度か通っても、そんな調子。
なんだか、気になる。
帰りの車の中で思いあたった。
あ!私の好きなマンガの受けキャラにそっくりだ!
そんなことで、その秘密のマンガキャラの彼の店は、
私の贔屓になった。
見てるだけで、満足だ。
そのキャラが特に好きという訳ではなかったが、
私にとっては、芸能人のようなものだった。
ある日、いつものようにレジに行くと、
うつむき加減の顔を覆った前髪の隙間から、
赤面した笑顔がのぞいた。
カミナリが私に落ちた。
実際、倒れそうだった。
私は、レジ台に手をついた。
手をつかないと、その場に倒れてしまいそうだった。
10数年振りの、ときめきの瞬間だった。