昼顔からの

ドラマ「昼顔」を観た主婦のそれから

8. 恋+恋

激しいときめきに撃ち抜かれた私は、
もう恋する乙女だった(気持ちは)。
 
この心内をその男の子が知れば、
かなり気持ちが悪いだろうが、
何もしないから、バレはしない。
 
第一に、彼に気持ちの悪い思いだけは
させたくなかったので、
その辺りは十分気をつけた。
それに、特に彼とどうこうなりたいと
思ったわけでもない。
ただ見れるだけで幸せだった。
 
いつもレジをしてもらうと、
私なりにとびっきりの笑顔で
「ありがとう」を言う。
すると彼も笑顔で
「ありがとうございました!」
と言ってくれる。
いや、正確に言えば、マニュアル通り言う。
 
だんだん彼も接客に慣れて来たのだ。
そのことも、見守ってきたという勝手な満足感となる。
妄想客はどこまでもポジティブで怖い。
と、この時初めて知った。
 
そんな頃、新しいバイトさんが入った。
今度はなかなかコミュ力高い若者男子だ。
最初はその子が入り、お気に入りの男の子のレジに
当たる確率が2分の1になってしまったので、
疎ましさを感じていた。
 
しかしある日またしても、
トキメキ爆弾が私に目掛けて投げられた。
 
あぁ、今日はあの男の子いないのかぁ。
と、残念な気持ちで入店。
レジには新しいコミュ力高い若者男子だけ。
残念な気持ちでレジが終わるのを待つと、
 
「いつもありがとうございます。」
 ニコッ!
 そしてちょっと赤面!
 
クラッと来た。
 
フラフラしながら車に戻った。
なんだ、この店は!
なんかの罠か?!
コンビニの看板を下げた、
人妻クラクラバーなのか?!
実は私だけ料金高めとか?!
(それでも全然構わないけど)
 
いづれにせよ、あの赤面笑顔の破壊力!
 
かなわない。
 
かくして、私は二股、いや、
またもう1人に恋することになる。
あー。