昼顔からの

ドラマ「昼顔」を観た主婦のそれから

17. オカマちゃんバー

この頃、改めて
自分は何を求めているのだろう。
と改めて自分で探ってみると、
私の欲望は、
なんかおかしなことになっていた。

男性に対する不満が募って
袋小路に入り込んだのか、

男性を受け入れるのは、
もうたくさんだ。
こっちが入れてやりたい!

と思っていた。
こんな変な欲望をどう処理した
ものかと途方にくれ、

まずは、一番入りやすい
いわゆる女装ショー
を見せてくれるお店に通った。

年配の性は男性のままの奇麗な姉さんには

「あんた、男性ホルモンうったらいいよ。」

とか、他にもちょっと書きにくい
具体的なアドバイスももらったが
省略しておく。

私の場合は、生まれもっての
性に対する違和感がある訳ではない。
ただ、性に対する見えない役割みたいな
物に対する違和感なんだと思う。
それに対する不満が募った欲望なんだと思う。

私みたいな嗜好の人も
いるらしいが、
実際にはお目にかかれなかった。
だいたいどういう店に行けば
そういう嗜好の人と話ができるのか。
それすら分からなかった

一番仲良くなったアキラくんは、
男の子の格好をしたままの
男の人が好きな人だ。

何店か紹介してもらって行ったけれど
本当にいろいろなタイプの人間や嗜好があって
もうカオスの世界だということだけ分かった。
この中に入っていったら
それこそ出口を見失いそうだと思った。

それでも、実際にその場にいた沢山の人が
男性→女性に何かしらの違和感を感じて
いる人だとすると、

そのことだけで、何か救われたような
居心地のよさを得ることができた。

問題は解決しなかったけれど
自分の欲望に素直な所とか
彼らの明るさとか、根性とか
生き様を見せてくれたことに
とても助けられた。

いろいろうざいおばさんだったと思うけれど
それなりのお金はかけたつもり。

本当にありがとう。

 

この年の新年の瞬間は
新宿三丁目だった。